談話室『和太刀』

~立ち廻りから得られる身体のお得情報!~

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第131回 「剣豪二人の御前試合でござる!!」の巻


ツルギくん
ツルギ1
「さあ、予告通り連也斎(柳生厳包)の伝説として語られているというお話にいきましょうか。」



センセエ
センセエ2
「うん、いこうか(笑)。『伝説』と言っても、おとぎ話みたいなものじゃないんだ。御前試合での事なんだけどね。」



ガラシャさん
ガラシャ1
「あ、それって江戸城で行われたヤツですよね。」



センセエ2
「さすがガラシャさん!その通りです。1651年に江戸城で開催された『慶安御前試合』に兄・利方と共に参加して、将軍家光に新陰流の燕飛(えんぴ)を上覧して…。」



ツルギ1
「あ、利方って前回出てきた正室の子で、本来は正統な後継ぎだった人ですよね。」



センセエ2
「そうだよ。よく覚えていたね。」



ガラシャ1
「でも連也斎…つまり厳包の方が実力的に上だというんで、家督は利方が受け継いだけれども、それ以外、剣術の方は連也斎が引き継いだのよね。」




ツルギ1
「何かそういう事だけ聞くと、その二人って絶対仲良くなかっただろうなんて考えちゃうから、『二人で上覧』したなんて聞くとホッとしますね。」



センセエ2
「ハハハハ(笑)。まあ子供じゃないしね。というか、利方からしても厳包(連也斎)という人は、認めざるを得ない程の実力者だったって事なのかもね。」



ツルギ1
「なる程~。」




ガラシャ1
「センセエ、前から新陰流の型になると出てくる、燕飛(えんぴ)之太刀って?」



センセエ2
「ああ。前に新陰流の組太刀(くみたち)の話の時に、三学円(の太刀)と九箇(くか)(の太刀)というのがあるって説明したことがあったよね。」



ガラシャ1
「ええ。流派の型というのは、その具体的な動きが有効かどうかよりも、大切な事はその動きがその流派の思想や概念を物語っているという事。三学円が『待』(ただ待つわけではなく、相手がそのように仕掛けてくるように待つ。)、九箇の太刀が『懸』(ただ懸かるわけではなく、その動きにより相手を誘う事も仕掛ける。)、でしたよね。」



センセエ2
「そう。で、燕飛の太刀は、その『懸・待、表裏』一連の動きを示すもの。この燕飛っていうのは、上泉信綱の師である愛洲久忠(あいすひさただ。号を移香斎という。陰流の始祖。)の『猿飛(えんぴ)』からきているっていう人もいるみたいだけど。」



ツルギ1
「え…っと。で、兄弟で将軍様の前で型を見せたと。それからどうなったんですか?」



センセエ2
「あ…。そうだった。その後、これも柳生の剣豪で知られる宗冬(むねふゆ…柳生宗冬。初代藩主・柳生宗矩の三男。江戸幕府第四代将軍・家綱の剣術師範を務める。)と木刀にて試合を行い、宗冬の拳を砕いて勝利したと言われているんだ。」



ツルギ1
「ゲ、ゲゲェ!!だって柳生宗冬っていう人も相当な剣豪なんですよね!?」




ガラシャ1
「そりゃあそうよ!」



センセエ2
「宗冬は、あの柳生三厳(十兵衛)から家督を継いだ、柳生藩大名となった人。」



ツルギ1
「はぁ~。でも拳を砕かれたっていうのは相当激戦だったんでしょうね。」



センセエ2
「その際に使われた木刀が、宗冬の血痕つきで尾張柳生藩に伝えられているらしいからね。」



ツルギ1
「オワ~!証拠品があるなんてスゲエ!!本物なんですかね?」



センセエ2
「ハハハ(笑)。それはボクにもわからないよ。でもね、柳生の印可を受けた人達の中には、二人が行ったのは試合ではなく組太刀で、その時に打太刀を務めた宗冬より、仕太刀を務めた厳包(連也斎)の動きが速すぎて、受け損じ、拳が傷付いたのではないかという人もいるらしい。今となってはどちらが本当なのかはわからないけど、二人の剣豪が、将軍の前で真剣に向き合ったというのは事実なんだと思うよ。優れた組太刀っていうのは、その型の中で真剣勝負そのものに変化し得るもの…それは普段色々な流派の組太刀を稽古している二人なら、わかるでしょ?」



ガラシャ1
「はい。型の中でのやり取りが虚構でない限り、場合によっては勝つ方(仕太刀)と負け役(打太刀)が変わってしまうという事も全然有り得る事だと思うんです。」




ツルギ1
「ああ…わかります。ボクもガラシャさんと組太刀をしていると、ボクが仕太刀だったのに、終わってみると逆転されている事なんてザラにありますもん。」




談話イラスト129




ガラシャ1
「それって別に、意地悪しているわけじゃないのよ。ちゃんとわかっているんだけど、『やり取り』を真剣にやったら型が逆転しちゃうのよ。ツルギ君、動く時に思念が出過ぎていて、身体が勝手にそれに反応しちゃうと逆になっちゃっているんだもん。」




ツルギ1
「……勉強になります。」








           つづく   センセエ(全身2)
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[ 2013/09/30 00:00 ] 談話 | TB(-) | CM(-)
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