談話室『和太刀』

~立ち廻りから得られる身体のお得情報!~

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

『雑!!演殺陣人達(ざっつ!!えんたてめんつ)』 34:無口な出会いⅡ

『雑!!演殺陣人達(ざっつ!!えんたてめんつ)』

 このコーナーは、和太刀主宰者・清水大輔の子役から始まり、
殺陣師になり、現在に至るまでに出会った人や出来事をかき集めて
バラバラに(思いつくままに)脱ぎ散らかしたエッセイ風の独白文です。





34:無口な出会いⅡ
前回、そして前々回と、私が温泉地でとんでもない経験をしたという話をさせて頂いた。
前々回は『立ち廻り』の仕事そのものでエライ目にあった話。
そして前回は、せめてもの息抜きに山道を散歩していたら熊に遭遇した話。


で、今回は『遭遇したのは熊だけではなかった話』です。

数々の試練をイベントの主催者側から受けた私達のせめてもの楽しみの一つに露天風呂があった。
そこは温泉地というだけあって、岩づくりの露天につかると一日の疲れが癒された。

夜だけでなく、朝早く(私の場合は散歩から帰って)つかる露天風呂は又格別なものであった。

ある朝、散歩から帰った私は一度部屋に戻り、支度をしてから、まだ寝息をたてている仲間を起こさぬようにそ~っと部屋を抜け出し、露天風呂に行った。湯船につかると、目の前は切り立った山肌があった。朝もやに霞がかかったその風景はまるで墨絵のようで、東京では絶対に味わえない贅沢をしている気分であった。

しばらくお湯につかりつつ、「さて、今日の立ち廻りは何をどんな風に工夫すべきだろうか。そろそろ出し物も変えないと、又おかみさんにイジワルされちゃうかもな…。」なとど考えをめぐらしていた私は、ふと、誰かの視線を感じた。最初は私に同じく朝風呂好きの他のお客様が入ってきたのかと思ったが違う。
『人は』私だけであった。

先程の切り立った山肌にそれは立っていた。シカ……いや、カモシカであった。
そう、天然記念物のあのカモシカ。野生のカモシカ!!

全身灰色っぽい毛に覆われ、頭にはツノがチョコンとついている。
そいつが入浴中の私をジッと見つめているのだった。


これには本当に驚いた。野生がどうのというより、カモシカを直に見るなんて生まれて初めての事だったし、湯船と向かいの山肌(つまり『彼』が立っている位置)は意外に近かったから、今にも私の目の前の岩にピョォ~ンと飛び移ってきそうな感じがしたからである。

私は、「うおお!カモシカじゃあ!!」と心の中で叫んでいたが、見つめられたまま動けないでいた。
「カモシカって凶暴なんだっけ?確か幼い頃図鑑で見た事あったけど…。見た目はちょっとユーモラスでカワイイ感じだし、大丈夫なのかも…。イヤイヤそうは言っても野生だし、もしエサが無くて飢えていたら……イヤ、熊じゃあるまいし…。」などと小さなパニックを起こしながら思考をめぐらせていた。

『彼』は奥深い目でジィ~ッとこちらを見つめたまま動かない。そんな時間が10分くらいは続いたろうか。

「もうダメだ、カモシカを見ていて(見られていて)のぼせて倒れたなんて恥ずかしい事態になる前に出よう!!」そう意を決した私は恐る恐る湯船の中で立ち上がり、後ずさりをしつつ、湯を出た。
カモシカは少し動いたように見えたが、体勢的にはあまり変化は無かった。相変わらず奥深い目でこちらを見つめていた。
ざっつえんたイラスト34

部屋に帰ってから、既に起きていた仲間に今出会ったカモシカ君の事を言ったが、誰にも信用してもらえなかった。全員(と言っても私を含めて四人だったが)露天風呂に入った事はあったが、誰もカモシカなんて見た事が無いと言うのだ。

それから私はとりあえずラウンジに行って、朝食前のコーヒーを飲んで、ガラス越しに映る山肌でも眺めようと思い立った。立ったままコーヒーを飲み、大きなガラス窓の前に立った私。すると…。

目の前にアイツ…カモシカ君がいた。無論ガラスの外の山肌の上にである。
そして先程の露天風呂に同じく、奥深い目でこちらを見つめていた。

「ホラ見ろ!!見間違いなんかじゃない。やっぱりカモシカじゃないか。」

私は部屋に戻って仲間を連れてこようかと思ったが、何だかバカバカしく思えたので、それもやめた。
それよりも、この様な山奥のホテルのラウンジで一人コーヒーを飲みながら、窓ガラス越しに天然記念物であるカモシカ君とにらめっことは何とも貴重で贅沢に思えた。
しばし私はそいつと静かににらめっこをしていたが、そろそろ朝食の時間だったので、そいつに別れを告げて部屋に戻った。(もうその事を仲間には言わなかった。)

それにしてもアイツはあの切り立った山肌に立って何をしていたのだろう。
私を見て何か言いたかったのだろうか。「オマエ、今日も一日頑張れよ。」みたいな…。

翌日も、翌々日も何だかアイツに会いたくなって、朝風呂やらラウンジでコーヒーやらをやってみたが、二度とアイツが現われる事は無かった。



スポンサーサイト
[ 2013/09/16 00:00 ] ざっつえんた | TB(-) | CM(-)
PICK UP!!
UP 
【技講座⑭構えのジャンル】コチラ
90

【技講座⑬沈身の半身】コチラ
84

【技講座⑫身体の各パーツの分離】コチラ
技83

【技講座⑪刀の握り】コチラ
技講座写真70

【技講座⑩半身歩法】コチラ
技講座写真65

【技講座⑨剣を使わない抜刀稽古】コチラ
技講座写真59

【技講座⑧肩の埋め込み】コチラ
49

【技講座⑦柔らかい胸と沈む腰】コチラ
技講座写真32

【技講座⑥抜き打ち(抜刀・横払い)】コチラ
技イラスト2

【技講座⑤手の平合わせ→水平面の移動】コチラ
技イラスト2

【技講座④水平斬り】コチラ
技イラスト2

【技講座③脱力の技、二】コチラ
技イラスト2

【サイムライダイエットエクササイズ2】コチラ
トモエさん(顔)

【サムライダイエットエクササイズ1】 コチラ
トモエさん(顔)

【技講座②脱力の技、一】コチラ
技イラスト2

【技講座①流れるように・・・】コチラ
技イラスト2
検索フォーム
QRコード
QR


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。