談話室『和太刀』

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第129回 「柳生VS宮本武蔵の論争でござる!!」の巻 


ツルギくん
ツルギ1
「さて、今回は予告通り柳生兵庫助の『フィクション性のある面白エピソード』というやつをお話頂くとして…。」



センセエ
センセエ2
「ははは(笑)。チョット言い方が悪かったかなぁ。まあ、いわゆる剣豪という人にありがちな伝説ってやつ。本当にあった出来事かどうかと言うよりも、明らかに創作っぽいんだけどさ。」



ツルギ1
「前に話題に出た『塚原卜伝(つかはらぼくでん)と宮本武蔵の鍋蓋試合』(宮本武蔵の一撃を塚原卜伝が鍋の蓋で受けたという伝説。しかし武蔵が生まれたのは卜伝の死後なので、明らかに創作だとわかる話。)みたいなものですか?」



センセエ2
「ウン、おそらく。まあ柳生兵庫助と武蔵の場合は、時代的にそんなにズレているというわけではないけどさ。そう、武蔵との逸話なんだけどね。」



ガラシャさん
ガラシャ1
「どんなお話なんでしょうか。」



センセエ2
「ある日、超一流の剣豪が弟子達を連れて尾張の城下を歩いていた。すると前方から一人の剣士が歩いてきた。その剣士を見て剣豪は、『何とスキの無い!江戸を出てから随分たつが、あれ程の人物に会うのは初めてだ。この城下であれ程の人物といえば、柳生兵庫助殿に間違いはあるまい。』と言った。
で、この時兵庫助の方でも、このただならぬ気をまとう剣豪に気付いていた。そして二人がすれ違おうとした時に、兵庫助はニヤリと笑い、『失礼。宮本武蔵殿ではありませんか?』とたずねたと言う。」



ガラシャ1
「当然、その時二人は初対面だという事なんですよね。」



センセエ2
「そうだね。で、武蔵の方でも、『そういうあなたは柳生兵庫助殿。』と言ったとか言わなかったとか。」



ツルギ1
「のわぁぁ!格好いい!!」




ガラシャ1
「でもウソ臭~い!!」




ツルギ1
「ガラシャさん!!人が浸っている時に突っ込まないでよォ!!」



センセエ2
「はははは(笑)。まあ創作なんだろうけど、絶対に有り得なかったと言い切れる事でもないかもね。会ったか会わなかったかという事ではなく、武蔵と兵庫助程の腕の持ち主なら、遠くから歩いてくるのを見ただけで、どれ程の腕前かわかるなんて、むしろ当然だからね。
前に話した事無かったっけ。腕に覚えのあるある武士が前から歩いてきた踊りの名手を見て、『ム…。スキが無い。相当出来る。』と言ったとかさ。そんな様なお話だと思うんだよね、これも。」



談話イラスト127




ガラシャ1
「名人は名人を知るみたいな事ですね?」



センセエ2
「そういう事です。」



ツルギ1
「それにしても、実際に真剣勝負をしていたらどちらが強かったんでしょうね。柳生兵庫助と宮本武蔵。」




ガラシャ1
「出た!!ホント、男の人って好きよね、そういう話が。」



センセエ2
「ははは(笑)。そういう話はね、ツルギ君だけじゃない。かつて文壇の世界でもその二人はどちらが強かったかなんていう大論争が行われたりしたんだよ。しかも菊池寛と直木三十五がね。」



ツルギ1
「うわっ。二人とも言わずと知れた有名作家じゃないですか!!」



センセエ2
「最初は直木三十五が『武蔵は名人に非ず。』と言った事から論争に火がついたらしい。」



ツルギ1
「な…!失礼な!!根拠は?」



センセエ2
「まあ、要は武蔵のは我流の田舎剣術だからというね。強いと言っても、当時名人と言われた柳生門下の剣士達、伊藤一刀斉、小野忠明等に挑戦しなかったじゃないかと言うんだね。60何回勝ったと言ってもみんな三流以下の剣士達ばかりだろうと。」



ツルギ1
「そ、そりゃあ……。」



センセエ2
「でも菊池寛は、武蔵の絵画や書を見れば、達人である事は間違いない。試合がどうのと言うなら、柳生の剣士達こそ、政治的役職に就いていたから正式な試合記録は無いから、強かったという証拠すら無いじゃないかというね…。」



ツルギ1
「そ、そうだ、そうだぁ!!」



センセエ2
「結局こんな論争は決着つかずに終わったわけだけどね。本人達が死んでしまっている以上、結論なんか出ないわけで。」



ガラシャ1
「武蔵とか柳生の剣士って、結局いつの時代も人気者ってコトなんでしょうね。」



センセエ2
「そういう事。」



ツルギ1
「な、何だよ。上手くまとめちゃってさ。う~ん、でもまあ……二人とも達人であるという事に違いは…ないか。」











             つづく     ツルギ4


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[ 2013/09/09 12:00 ] 談話 | TB(-) | CM(-)
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