談話室『和太刀』

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第105回「スーパーウーマン『ハンガク』登場でござる!!」 の巻


ガラシャさん
ガラシャ1
「センセエ、前回は『源平時代編』のまとめという意味でお話を伺おうと思ったのですが、女である私はどうしてももう少し『女性の武将』がいたかいないかも含めて巴御前なんかの話が聞ければなあと思っていたんです。
そうしたら『馬上組打』というスゴ技の話に展開したりして、何かとってもスカッとしたというか(笑)。」


センセエ
センセエ2
「それは良かった!! 前回も言った通り、この時代や戦国時代なんかは命が懸かった戦の勝ち負けという価値観において、どれだけ有能な人が集められるかという事が重要だから、『有能である』という事においては男も女も無いはずでね。そりゃあ比率からいえば男が多いんだろうけど。」


ツルギくん
ツルギ1
「ただセンセエ、巴御前って前もそういう話になりましたけど、本当に実在したかという点では疑問も残るわけですよね。まあ、これはもしいたとして…しかも、もし伝説で言われている様な馬上組打の技術があったとしたら、それはこんなにスゴ技なんだというお話なわけで…。」



ガラシャ1
「チョット!! (ツルギ君に)アンタ何が言いたいのよ!! 何か文句あるわけ!?」




ツルギ2
「イヤ、何も文句は無いよ。でもさ、架空の人物かもしれない人の話…しかも技術的な事でさ…。」



センセイ
「はっはっはっ(笑)。ツルギ君も意外と頭が固いんだなあ。あのネ、仮に巴御前が架空の人物だとしてもね、記録に残っている男よりも優れた女性の武将の話って他にもあるんだよ。
で、これは男女も含めて伝わっている様な技術を、一概に現代人が出来ないからといってウソだろうと思うのはどうかな? 実際にまるで小説の中の出来事なんじゃないかと思われる様な事が出来た、昭和の後半まで生きていた達人だっているわけなんだ。」



ツルギ2
「あ、ごめんなさい!! よくセンセエからそういう人達の伝説? …イヤイヤ実話は聞いてはいるんですが…。」




ガラシャ1
「えっ…と。センセエ、因みに巴御前以外のそういう女武将って、例えばどんな人がいますか? 興味あるぅ~。」



センセエ2
「ああ、それなら例えば坂額御前(はんがくごぜん)という平安末期から鎌倉初期にかけて活躍した女性の武将とかね。」



ツルギ1
「ハ・ン・ガ・ク・御前? …初めて聞くなあ。」



センセイ
「だろう? 彼女は越後国の有力豪族である城氏の一族でね。城氏というのは平家方の豪族なんだけど…。治承・寿永の乱で源頼朝の勝利により没落してしまったんだけど、建仁元年(1201年)に、この坂額御前の甥にあたる城資盛という人が挙兵する(建仁の乱)。
これはつまり坂額さんの兄の長茂に呼応したもので、鎌倉幕府打倒計画をブチ上げたわけなんだ。」



ツルギ1
「オオッ!! 平氏方も黙ってはいなかったというわけですね。」



センセエ2
「そう。で、長茂自身は京で討ち取られる。資盛の方は鳥坂城という要塞に立てこもり、討伐軍を散々手こずらせたらしいんだけど。で、この時に反乱軍の中で将として奮戦したのが…。」



ガラシャ2
「坂額御前!!」



センセエ2
「そういう事。『吾妻鏡(書物)』にはどのような内容で書かれているかというと、『女性の身たりといえども、百発百中の芸、殆ど父兄に(を)越ゆるなり。』という風になっている。つまり、父や兄を越える弓の達人だったと。」



ガラシャ2
「わあ~っ!! 気持ちイイ話ですネ!!」



センセイ
「で、『童形の如く上髪せしめ腹巻を着し、矢倉の上に居て、襲い到るの輩を討る』と。彼女に射られたら助かった者はいないなんていう事も。」



ツルギ2
「ヒェ~ッ!! ハ、ハンガクゴゼン…キョーレツな女だなあ。」



センセイ
「はっはっはっ(笑)。でもツルギ君はそう言うけどね、やっぱり平氏方にいた人だから、最終的には藤沢清親という人の矢が両脚に当たって捕虜となってしまうんだ。反乱軍は崩壊、坂額は鎌倉に送られ、将軍頼家の前に引き出される。」



ガラシャ1
「しょ、処刑されてしまったんでしょうか。」



センセエ2
「イヤ、それがその際の彼女の態度が全く臆した様子が無くて、幕府の宿将達が驚かされたというんだね。逆に深く感銘を受けたと…。武士たるものとしてね。」



ツルギ1
「カ、格好イイ…女性なのに…。」



センセエ2
「でしょ? そういう態度に男性とか女性とか関係ないんだよね。で、甲斐源氏の浅利与一義遠という人が頼家に申請して、何と彼女を妻としてもらい受ける事を許された。坂額は甲斐国に移住して同地において没したとある。」



ガラシャ2
「浅利さん、ステキ~!」



センセイ
「吾妻鏡にはね、彼女と比べれば陵園の美女ですら醜くなってしまうくらいの美女だったとある。
だけどこういう武将として優れていたというイメージが先行しちゃって、後年に書かれた大日本史では不美人扱いされちゃっているらしいんだよね。」



ガラシャ1
「失礼しちゃうわね!! 思い込みもはなはだしいわ!!」




ツルギ1
「男性代表で謝りま~す…。」




談話イラスト103





センセエ2
「こういうスーパーウーマンはさておき、戦国時代だって女性が戦っていたと見られるものがあるのでね。それは又次回。」




               つづく       ツルギ4
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[ 2012/10/07 00:00 ] 談話 | TB(-) | CM(-)
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