談話室『和太刀』

~立ち廻りから得られる身体のお得情報!~

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

第88回 「弁慶の名場面の脚色の秘密にござる!!」 の巻

ツルギくん
ツルギ1
「前回までの展開はちょっと驚きですね。なんせ伝説の妖怪鵺(ぬえ)の話にまでなっちゃって…。
鵺とかって実在したかどうか…っていうか、ほぼ実在した可能性の無いものまで掘り下げちゃうとは…。」



ガラシャさん
ガラシャ1
「でもそれでいいのよ。私達表現者はそういう伝説的なものまで表現の対象になるわけだから。
一つの題材でそこからどれだけ色んな意味で広げていけるかという話で…。
ね、センセエ。だってこれは学校の歴史の勉強ではないんだもの。」



センセエ
センセエ2
「その通りだね。ガラシャさん、ステキです。史実として知っておく事は大切だけどね。
でもボクらは当たり前だけど実際にその時代には生きていないワケだからさ、何がホントで何がウソかなんて誰にもわからない。
例えば今の人達が歴史的に『これはホントなんじゃないか。』と思っている事でも、後に作られた事だって多い。
そうだなあ…ちょうど『源平の合戦』当たりの人物を扱っているから…あ、武蔵坊弁慶とかね!」


ツルギ1
「あ、なる程。弁慶が実在の人物かどうかという話ですね。
ホントは弁慶なる人物は存在していなくて、義経のまわりの護衛をしていた人物にそういうモデルになった人がいたんだとか。それならボクも知っています。」




ガラシャ1
「私も。『平家物語』とかにも、身の丈七尺で鎧をまとった大男が、白柄の薙刀をついて大眼をかっと見開いてあたりをねめまわし、なんて描写があるけど、これは『叡山(えいざん)の悪僧、祐慶(ゆうけい)』という人だものね。」



センセエ2
「よく知っているね。でもね、そういう事じゃなくて、『武蔵坊弁慶』なる人物が実際にいたと仮定し、義経を護衛しながら活躍したと仮定しても、今の人が誰でも知っているような活躍ぶりと、『源平盛衰記(げんぺいせいすいき)』や『義経記(ぎけいき)』にのっているものとは違ってきているんだ。それが面白い。」   


ガラシャ1
「例えば?」



センセエ2
「そうだなあ。牛若丸(義経)と弁慶の戦いが『京の五条の橋の上』になったのは、後世に御伽草子(おとぎぞうし)の中でそうなったんであってね。」


ツルギ2
「エッ!? ち、違うんですか!?」



センセエ2
「ウン。『義経記』では、弁慶は母親の胎内に18ヵ月とどまり、生まれた時は2、3歳児程もあり、歯も生えそろった異形の人物で、幼少の頃父に疎まれて殺されかけたところを叔母に助けられ、『鬼若(おにわか)』と名付けられた。6歳で疱瘡(ほうそう)を病んでいっそう醜くなってしまい、預けられた先々でも心まで病んでしまったのか、乱暴の限りを尽くして嫌われ者になる。」


ツルギ2
「お、おやまあ…。何と複雑な…。」



センセエ2
「そのうち自分から頭をそって『武蔵坊弁慶』と名乗り、諸国をめぐって播磨の書写山(しょしゃざん)に入り、ここでは真面目に修行した。ところが先輩僧のイジメにあい、ブチ切れて大暴れ。その際火事がおきて全山が燃えてしまう。
で、悪名高くなってしまった弁慶は、太刀1000本を集めるという願を立てて、京の町で夜な夜な大暴れ。999本を奪ったところで牛若丸に出会う。」


ツルギ1
「なあんだ。やっぱり、いいんじゃないですか。それがボクも認識している牛若丸と弁慶の戦いですよ。」



センセエ2
「イヤ、彼らは2回戦っているんだ。1度目は天神から堀川通りを下ったあたり。
笛の音と一緒に暁(あかつき)の薄明かりの中に黄金の太刀を佩いた若者が現れる。弁慶はチョロイと思って斬りかかるが、若者は弁慶の胸を蹴ってひらりひらりとかわし、弁慶がたじたじになる。」


ツルギ2
「あ、ありゃ!? 展開は同じなのに…。で、2回目っていうのは?」



センセエ2
「2回目は清水寺の舞台だよ。」


ツルギ1
「清水…の…舞台って、あの?」



  談話イラスト86



センセエ2
「そうだよ。勝負を見ているのは参詣の人達。『稚児が勝つか、法師が勝つか。』と騒ぎ立てる。
で、そんな中、2人は激しく打ち合い、ついに弁慶が敗れる。すると弁慶は『これも前世からのつながりだ。』と言って従者(牛若丸の)になるというわけ。」


ツルギ1
「ヘエエ~! 『名勝負数え唄』といったところですね~。」



センセエ2
「ただこのストーリー展開の中でもその後はあまり目立った活躍はしない。文治(ぶんじ)三年に追われる身となった義経が、山伏に変装して都を発つというのは同じだけどね。で、この時弁慶を筆頭にして従った家来、つまり同行者は16人。
この中には義経の北の方、久我大臣の姫(くがのおおいのひめ)も稚児姿で同行している。それが『安宅(あたか)』という謡曲の中では同行者11人。歌舞伎の名作『勧進帳』では女気もなく四天王と弁慶の5人になったんだ。」


ガラシャ1
「うわあ。16人も同行者がいたなんて、逆に驚きです。」



センセエ2
「で、北行して逃げている時、金津(かなつ)の上野で、加賀国の住人、井上左衛門という人が武士の情けで見逃す。如意(にょい)の渡しでは船頭に見咎められた義経を弁慶がとっさに扇で打ちまくり、疑念を晴らした。
この後弁慶は『いくらかばうためとはいえ、ご主人様を打ちすえた罪がおそろしい。許してくだされ。』と伏し転んで泣く。それを見た義経一行も泣き…。」


ツルギ1
「ちょ、ちょっとそれってもしや…!」




ガラシャ1
「勧進帳だわ。じゃあ……。」



センセエ2
「そう。見せ物として多分この2つのエピソードが合わさっている。見逃してくれた井上左衛門という人が富樫(とがし)左衛門になったという事だね。」


ガラシャ1
「何か『北へ逃れてジンギスカン。』という話がいくら何でもそれはないと思っていたんですけど、元々それまでの名場面も、転化されたものだったんですね!」








                     つづく     ガラシャ3
スポンサーサイト
[ 2012/05/16 00:00 ] 談話 | TB(-) | CM(-)
PICK UP!!
UP 
【技講座⑭構えのジャンル】コチラ
90

【技講座⑬沈身の半身】コチラ
84

【技講座⑫身体の各パーツの分離】コチラ
技83

【技講座⑪刀の握り】コチラ
技講座写真70

【技講座⑩半身歩法】コチラ
技講座写真65

【技講座⑨剣を使わない抜刀稽古】コチラ
技講座写真59

【技講座⑧肩の埋め込み】コチラ
49

【技講座⑦柔らかい胸と沈む腰】コチラ
技講座写真32

【技講座⑥抜き打ち(抜刀・横払い)】コチラ
技イラスト2

【技講座⑤手の平合わせ→水平面の移動】コチラ
技イラスト2

【技講座④水平斬り】コチラ
技イラスト2

【技講座③脱力の技、二】コチラ
技イラスト2

【サイムライダイエットエクササイズ2】コチラ
トモエさん(顔)

【サムライダイエットエクササイズ1】 コチラ
トモエさん(顔)

【技講座②脱力の技、一】コチラ
技イラスト2

【技講座①流れるように・・・】コチラ
技イラスト2
検索フォーム
QRコード
QR


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。