談話室『和太刀』

~立ち廻りから得られる身体のお得情報!~

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第49回 「男は黙って小野派でござる!!」の巻

ツルギ1「いやあ、センセエ、前回の柳生家の繁栄にまつわる話を聞いて、
ツルギくん
        小説や映画なんかでよく宗矩の子(長男)である十兵衛が、
        何故隠密として全国を旅してまわっているという
        設定になっているのかがよくわかりました。」



センセイ「ツルギ君は十兵衛が好きみたいだねえ。
センセエ
        イヤ、旅をしてまわっていた時期があるらしいのは本当なんだけど、
        結構謎に包まれている人物でね、本当に宗矩から何かの密命を受けて
      諸大名の動向を探るために旅をしていたのか、
        父親に対しての反発心から我が道を見つけ出す為の武者修行として
        まわっていたのか、本当のところはわからない。

        だから映画や小説なんかは、この2つのタイプを含む
        様々な十兵衛がつくり出されたんだと思う。」

ツルギ1 「ボクは後者の方であって欲しいなあ…。アウトロー、一匹狼、
        組織への反逆心ってなんか格好イイじゃないですか。」


ガラシャ1「ものは言いようよね。結局それって
ガラシャさん
        組織や社会になじめない未熟者だってことかもしれないじゃない。」


ツルギ2  「アウ…アウ…! ガラシャさん、十兵衛様に対して…アウ、アウ!!」

センセイ  「ははは(笑)。女の子は現実的だなあ。」

ガラシャ2「あら、私はロマンチストですよ。

        ただ、むしろ一つの剣の流派を武器に、
        政治にまで影響を及ぼしたという意味では、
        宗矩の方に男のロマンを感じるんです。」


ツルギ2  「うう…十兵衛、全否定かよ。」

センセエ2「まあまあ(笑)。だって十兵衛が本当のところ、
        父親に対してどう思っていたかなんて誰もわからないわけだから。

      もしかしたら映画なんかに語られているように、
        父親の為に働く一番のコマだったのかもしれないわけだしね。」

ガラシャ1「センセエ、因みに小野忠明(小野派一刀流)なんかはどんな人物だったんでしょう。

        剣を政治の世界にまで利用した柳生家や、
        一人で求道者として頂点まで登りつめた武蔵と…。
        大体どういうベクトルで生きていたのかとか…。
        やっぱり謎が多いんでしょうか。」


センセエ2「小野忠明はね、多分『古武士』というイメージにおいては一番かもしれない。

        剣の技では(当然の事ながら)達人級。
        で、硬骨の武人、無頼派…という感じかなあ。
        だから逆に政治と剣法をつなげようという発想は出来なかったのかイヤだったのか。

        とにかく実践主義者だったんだろうと思う。」

ガラシャ1「確か忠明の師というのは、
        あの有名な伊藤一刀斉(一刀流の始祖)ですよね。」


センセエ2「そう。一刀斉に勝負を挑んだ忠明は軽くあしらわれてしまう。

        で、弟子として入門してしばらく一刀斉に従って全国をまわった。
        入口からしてこうだから、ある意味『強い者は強い。』
        というサバサバしたところがあったんだと思う。
        政治の世界で陰謀をめぐらせるようなタイプではなかったんだと思うんだよね。」

ツルギ1「なる程。えっと…、遅ればせながら、一刀斉って、あの伊藤一刀斉ですよね!」

センセエ2  「? … うん … そう。」

ガラシャ2「武蔵と小次郎をある意味引き合わせた、
        なんて言うんじゃないでしょうね、ツルギ君。

        それ、マンガの『バガボンド』の中のエピソードだからね。」


ツルギ2  「あ…あう(図星)。」

センセイ「(笑)。わからないよ、でも。

        『バガボンド』は作者が本当に心身を削って書いているのが分かるからね。
        各キャラクターが本当に生きている。

        そういう作品って説得力を持つから、
        100年後には『武蔵と小次郎の出会いの糸をつないだのは一刀斉だ!』
        なんて事になっているかもしれない。
        実際、講談やら歌舞伎やら映画やら小説やらで説得力のあるものって、
        あたかも真実のようにいつの間にか史実みたいに一般に知れ渡ってしまうという例は、
        これまでにも紹介したしね。」

ガラシャ1  「そうかあ…分かってないぶん、そういう余地がありますよね。」

センセエ2「そう。だからボクらみたいな畑の人達は責任重大なんだ。
        フィクションだからといっても、動き方やその人の中にあるスピリットまで
        フィクションで済ましていたらダメだと思う。
        だからここしばらく展開されている剣豪の足跡のような事って、
        知っておく必要があるんだよね。

        アレ…? そもそも何の話だっけ?」

ツルギ2  「スミマセン、小野忠明の人物像です。」

センセエ2「ア、そうか。一刀斉に弟子入りしたというエピソードから脱線しちゃったんだね。
        でもいいよ。脱線出来るのが談話室のイイトコロだから(笑)。

        小野忠明の考え方を表している話があってね。
        それを紹介して、後は次回にまわそうよ。
        2代将軍の秀忠と忠明がある時剣術について語り合っていた時の忠明の言葉でね、
        『とかく剣術というものは、腰の刀を抜いた上でありませんと、
        論は立つものではございませぬ。座上の剣術は所詮、
        畠(はたけ)の水練と思(おぼ)しめされたく存じます。』というのがある。
        これは忠明の人柄をよくあらわしていると思う。

        つまり、剣術は実際に腰の刀を抜いてからの話で、
        いくら座上の言葉で語ったとしても、
        畠でやる水泳みたいなもんだってね。」



談話イラスト47


ツルギ1 「オオ! 格好イイ~。まさに古武士! 男は黙ってっていう…。」

ガラシャ2 「武骨~、愚直~!」






                  つづく        ガラシャ3
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[ 2011/09/28 00:00 ] 談話 | TB(-) | CM(-)

『雑!! 演殺陣人達(ざっつ!! えんたてめんつ)』 ② ○○戦隊!?

『雑!!演殺陣人達(ざっつ!!えんたてめんつ)』

 このコーナーは、和太刀主催者・清水大輔の子役から始まり、
殺陣師になり、現在に至るまでに出会った人や出来事をかき集めて
バラバラに(思いつくままに)脱ぎ散らかしたエッセイ風の独白文です。


② ○○戦隊!?

 今も続く東映ヒーロー物の決定盤といえば、戦隊物ヒーローである。
ゴレンジャーから数えたらもう35、6年続いている事になる。
私もかつては振り付ける方ではなく、スーツの中に入って格好良く(?)ポーズをきっていたわけで…。

 

 かれこれ25、6年前…あるイベント会場で戦隊物の仕事をした時のこと。
25、6年前といってもその時点でもう初代のゴレンジャーから10年はたっているわけで、
その日は色々なアクションクラブから人が集まり、
これまでの戦隊が豪華絢爛(ごうかけんらん)にも一ヶ所に集合して、お互いを助けるという
『スーパー戦隊大集合!!』というものがあった。
確かシリーズ十周年みたいな事だったと思うが…。

 戦隊一つにつき5人だから、最後にステージ上には約50人のヒーローが勢ぞろいするわけである。
何と豪華な!!

 

 で、来ているアクションメンバーが約50人弱…。アラ?…何か足らないような…。
イヤ、戦隊は足りているのだが、いったい誰と戦うのか?

 するとこの大集団のまとめ役と思われる某老舗団体のAさんが大声で
(なんせ違う団体の人間が50人以上集まっていて、振り付けも本番当日、
つまりその場で行ってそのまま本番ですから…。今ってこんなのあるのかなあ。)
「いいですか~! ヒーローが全員ステージに集まるのは最後ですよ~!
それまでは手分けして悪役とヒーローを着替えつつやってもらいます。」と叫んだ。

 なんだ、そういう事かと思っていると、一枚ずつ紙が配られた。
そこには一人一人の香盤表が書かれてあった。

 自分の名前を探し当てると、何とビックリたまげた。それによれば。

①最初は舞台右手の建物の上(屋根)にて、ミドレンジャーを着てアクション⇒引っ込み

②怪人を着て舞台中央でチェンジ・ドラゴン(チェンジマンのレッド)とアクション⇒引っ込み

③舞台左の建物横にダイナレッド(ダイナマン)を着てアクション

……みたいな段取りがいくつも書いてあるではないか。

 大変なのは最後で、何せ来ている人数がヒーローの数キッチリなので、
最後は全員がヒーローを着なければならない。
舞台に残ったヒーローがMCのお姉さんとトークしている間に大慌てで着替えねばならない。
しかし、皆がショーの間中大慌てで早替えするものだから、衣装が混ざらないようにしないとイケない。

 戦隊ヒーローは着てしまえば違いがわかるのだが、ポイと脱ぎ捨ててあると、
どの戦隊のスーツだか仮面だか手袋だかブーツだかわからなくなるのである。

 とにかく振り付けを早々に済ましてミーティング。
「この時○○ブルーを着ているのどなた~!? 次ボクが着るんですけど~!」
みたいな声が飛び交い、まるで築地のセリか上野のアメ横のような状態だった。



 さて、こんな苦労の結果、本番はどうにか…出来るワケが無い。
本番のステージで最後に私が着ていたのは、仮面は言われた通りの戦隊のレッドだったが、
スーツは明らかに違う戦隊のもの。
手袋に至っては右と左も違うし、ブーツはどこかの戦隊のイエローだった。
これがわからない。何故色まで違うか!


ざっつえんたイラスト2


「あ~あ、やっちまった…。だからこんなの無理なんだ。後で怒られるなあ。」
などと仮面の中でため息をついていたが、ある事に気付いた。

「待てよ! オレがこんな格好だという事は…!?」

恐る恐るまわりを見回すと、私と同じ様な、どこの戦隊かわからない混血児がチラホラと居るのがわかった。
皆下を向いて、正しく着れているヤツの後ろに隠れている。

 この後のサイン会…どうしようという立ち姿であった。

[ 2011/09/25 00:00 ] ざっつえんた | TB(-) | CM(-)
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